戯言シアター#2 『8番出口』

Movie culture
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皆さんは、普段生きている中で変だなと感じたことはありますか?

探していたものが急に見つかったり

いつも決まった時間に不在着信の電話が来たり

甘いものを食べた後にしょっぱいものが食べたくなったり

…もしかしたらそれ異変かもしれませんよ


戯言シアターへようこそ 案内人のサミっつーと申します。

本日は、精神を蝕む間違い探し

8番出口』について語っていこうと思います。


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映画概要

基本情報

作品名映画『8番出口』
公開日2025年8月29日
キャスト二宮和也、小松菜奈 ほか
監督川村元気
主題歌PiKi「88888888」(※コラボ曲)
ジャンルサバイバル・ホラー
上映時間95分

あらすじ

地下鉄の改札を出て白い地下通路を歩いていく。天井には【出口8】の看板。しかしいつまでも出口に辿り着くことができない。何度もすれ違う同じ男に違和感を感じ、やがて自分が同じ通路を繰り返し歩いていることに気付く。そして壁に掲示されている、謎めいた【ご案内】を見つける。通路のどこかに【異変】があれば引き返し、なければそのまま前に進む。【1番出口】【2番出口】【3番出口】…正しければ【8番出口】に近づき、見落とすと【0番出口】に戻る。次々と現れる不可解な異変を見つけ、絶望的にループする無限回廊から抜け出すことができるのか?

映画『8番出口』公式サイト ©2025「8番出口」製作委員会

予告映像

出典:YouTube 映画『8番出口』予告【8月29日(金)公開】 (東宝MOVIEチャンネル公式)
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感想

意思なき怪異

この物語は二宮和也演じる主人公の男性が、駅構内を歩いていたところ突然奇妙な空間に迷い込むところから物語は始まる。

ホラー作品に登場する悪役というと例えば何か主人公に恨みを持っていたりある手順や呪い、ルールなどを侵すことで襲ってくるものが多いと思われる。

しかし本作品の悪役、あるいは怪異と呼ぶべきこの『8番出口』という存在には意思がないように感じた。

対処するためのルールは至ってシンプル

異変を見逃さないこと

この怪異が求めるのはたったそれだけのことである。

意思が見えず決まった形もない故になぜ自分が巻き込まれたのかわからないそんなところにこの作品の伝えたい恐ろしさというのがあるのかもしれないと私は思った。

また、純粋に同じ光景の間違い探しを八回連続でやる。もし失敗したら最初からやり直し。

原作のゲームでやっている分には、まだ楽しめたのかもしれない。しかしループする空間に自分が閉じ込められたとしたら…

仮にすべてに異変がなかったとしても何度も続く同じ光景に人間というのはどれだけ耐えられるのだろうか。

そういった心理的な怖さそして、恐ろしい出来事から夢にまで見たような縋り付きたくなる甘い蜜のような光景。これらを織り交ぜながら選択を迫ってくる異変達。

様々な視点での怖さがこの映画の魅力の一つであると感じた。

そして複数の視点というところでこの物語は主人公だけのものではない…

オムニバス視点

この作品の登場人物というのはそれこそ片手で事足りるほどに少ない。

特に『8番出口』に迷い込んでからのストーリーというのは映像上でも描かれている人物は少ないのである。

ではなぜこれほどまでに少ないのか…

映画を見ていない人には若干のネタバレにもなるのだが物語が進むにつれて何度か主人公が交代しているのである。

これはゲームでは描かれていない映画オリジナルの設定であるが原作をやったことがある人あるいはその実況動画を見たことがある人は、疑問に思ったことはないだろうか。

このおじさんは何者なのだろうか、時折出てくる人型の異変は何なのだろうか。

映画ではその一つの回答が描かれています。

これについては各々の解釈があると思うし映画で描かれた光景自体が『8番出口』が見せた幻想なのかもしれません。

こういったところにまた一つ考察の面白さがあるんですけどね。

異変とは

さて、では最後にこの映画の伝えたいメッセージの部分について語らせていただきたいと思います。

このタイトルにもつけたように異変とはいったい何だったのでしょうか…

この映画を通して『8番出口』という名の怪異は様々な異変を起こしてきました。

それこそあからさまなものから普通であれば見逃すもの、異変ではないと思い込み見て見ぬふりをしたいものなど様々です。

これってまさしく現代社会を現していると思いませんか?

この記事の冒頭で述べた日常生活でのちょっとした違和感。

道に平然と落ちているゴミや店員を怒鳴りつける客、夜中に響き渡る騒音…

こういった一目でわかるしかし自分は関わりたくない異変というのは少なくないでしょう。

そういったときに引き返すのか異変を異変じゃなくするために進むのか

そういった選択が日々の中でそれこそいたずらに現れるためあなたならどうしますか?

ということが一つメッセージとしてあるのだなと私は考えます。

逃げることは決して悪いことではないし立ち向かうことが必ずしも正しいこととは限らない。

それに何を選択しても選ばなかったほうへの後悔というのは生まれるものである。

その後悔にたいして私はほんの少しだけ寄り添おうかなとこの映画を見て感じた。

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作品をより楽しむために

原作的視点

この映画をさらに楽しむためにまずは、ベースとなったゲームについて知っておくべきでしょう。

ゲーム版のルールは極めてシンプルです。これを知っているだけで、映画の中の「異変」に対する緊張感が変わります。

  • 異変がなければ進む、あれば引き返す: プレイヤーは無限に続く地下通路を歩き、「8番出口」を目指します。
  • 異変のバリエーション: 壁のポスターが変わる、おじさんの顔が巨大化する、急に電気が消えるなど、些細な違和感から命の危険を感じるものまで様々です。
  • 「0番」からの再スタート: ルールを間違えると、また最初の通路(0番)に戻されてしまいます。

それこそ自分でプレイするもよしあるいはYouTubeで検索すれば山ほど実況動画が出てくるのでそれを見てから映画を見に行くことをお勧めします。

個人的にも実際にどこに異変があるのか主人公と一緒に探す没入感をより濃く体験できました。

ホラー作品的視点

この作品の怖さの正体は、急に驚かせる手法だけではありません。「リミナルスペース(境界空間)」というネットミーム的な恐怖概念が根底にあります。

  • どんな感覚?: 本来は人がたくさんいるはずの場所(駅、ショッピングモール、学校の廊下など)に自分一人しかいない時に感じる、あの「ゾワゾワする不気味さ」のことです。
  • 映画での楽しみ方: 「どこかで見覚えがあるのに、何かが決定的に間違っている」という、現実と非現実の境界線に注目してみてください。

ルール的視点

この映画は原作準拠により間違い探しを一つのテーマとしています。そのため画面の端々にヒントや異変が隠されているのです。

皆さん誰もがやったことのある間違い探し

そういったものを見つけるセオリーや視点を養っておくとより没入体験ができると思います。

参考までに少しだけ見るべきポイントをお伝えしましょう。

観察のポイント:

・通路に貼ってあるポスターの内容(文字や絵)

・点字ブロックの並び

・監視カメラの向き

・おじさんの挙動

これら以外にも様々なところに異変は隠れておりそれこそ一回見ただけではすべて終えきれないかもしれません。

前情報なしもいいですが知識を増やして映画を見るのもまた違った視点から見られるためおすすめですよ。

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参考文献

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