2017年に東京ゲームショウにて撮影された一枚のツーショット写真が初出とされている片手でハートマークをしている男性とグッドサインをしている女性という構図のネットミームは何でしょう?
こんにちは、サミっつーです
本日は、オタクとアイドルではやはり分かり合えないという社会の縮図を現した一枚『片思いハート』について解説していきたいと思います。
ミーム解説
元ネタ
SNSやネット掲示板で一度は目にしたことがある格闘ゲーム界の超有名ミーム、通称『片思いハート』(海外では「Not Looking」や「Friendzoned」とも呼ばれる)。
このミームは、2017年に香港のモデル・ローズ(Rose Ma)氏がX(旧Twitter)に投稿した、格闘ゲーム界のレジェンドであるジャスティン・ウォン(Justin Wong)氏とのツーショット写真がキッカケで誕生しました。
▲ 世界中で爆発的に拡散された、ジャスティン・ウォン氏(右)との「片思いハート」
女性が手でハートの半分を作っているのに対し、隣の男性は笑顔でサムズアップ(親指を立てるサイン)を返すのみ。この絶妙に噛み合っていない空気感から、ネット上では「美女にハートを拒否されてしまった哀愁漂うオタク」という構図として捉えられ、世界中で瞬く間に拡散されていきました。
すべてはここから始まった?ウメハラ氏との「前日譚」
一見すると「ジャスティン氏がポーズを勘違いしてしまった、ちょっと切なくて面白いハプニング写真」のように見えますが、実はこの一枚には**知られざる前日譚(ぜんじつたん)**が存在します。
ジャスティン氏との写真が撮影される数ヶ月前、ローズ氏は日本の生ける伝説的プロゲーマー・梅原大吾(通称:ウメハラ)氏ともツーショット写真を撮影していました。その時の画像がこちらです。
▲ 先に投稿されていたウメハラ氏(右)との写真。実はローズ氏が「置いてけぼり」を食らっていた
ハプニングではない。格ゲー界の文脈を汲んだ「天丼ネタ」
ウメハラ氏との写真を見ると分かる通り、本来ハートマークを作ろうとしてサムズアップで拒否され、置いてけぼりを食らっていたのは**女性側であるローズ氏の方**でした(ウメハラ氏のこの絶妙な塩対応も当時コミュニティで話題になりました)。
これら一連の流れを踏まえた上で、改めて1枚目のジャスティン氏との写真を見てみると、見え方がガラリと変わります。これはジャスティン氏が空気を読めないオタクだったわけではなく、先のウメハラ氏とのやり取りを知った上で仕掛けた「一種の意趣返し(プロレス的な天丼ネタ)」としての高度なパフォーマンスだったのです。
背景を知ると格闘ゲームコミュニティならではのユーモア溢れるお遊び写真であることが分かりますが、事情を知らない一般層をも一瞬で爆笑させるこの画像のインパクトはまさに天才的。当時のSNSの時代背景や拡散力も相まって、今なお世界中でパロディが作られ続ける伝説のミームとなったのも納得の、奇跡の一枚と言えます。
なぜミーム化したのか
お互いの意思疎通が完全に見事なすれ違い(不発)を起こしています。
- 「ハートを作りたい男性」vs「グッドポーズで応える女性」 男性の作った「半分のハート」に対して、女性が「親指(グッド)」を突き立てた形になっているため、男性の片手が完全に宙に浮いてしまっています。
- 漂う「切なさ(Friendzone)」 ネット上では、このすれ違いが「好意を寄せたものの、単なる友達(あるいはファンの一人)として爽やかにあしらわれてしまった瞬間」の完璧な具現化としてウケ、SNSなどで拡散されました。
またこの投稿のキャプションにfriend zone(友達以上恋人未満)とありそれもまた画像の内容を風刺しており輪を書いて話題になっていきました。
ちょっと深堀り
今回のちょっと深堀りでは、元ネタ写真の撮影場所でもある東京ゲームショウについて解説していこうと思います。
東京ゲームショウ 2017(TGS2017)の詳細
2017年は、家庭用ゲーム機の歴史が大きく動いた年であり、TGSでもその熱量が色濃く反映されました。
- 開催テーマ: 「さあ、現実を超えた体験へ。」
- 総来場者数: 25万4,311人
📌 2017年の主な特徴と発表内容
- Nintendo SwitchとPS4 Proの躍進 同年3月に発売された「Nintendo Switch」の勢いが凄まじく、サードパーティ(他社)によるSwitch向けタイトルの出展が一気に急増。また、PS4の中位・上位機種(PS4 Pro)向けのハイエンドゲームも成熟期を迎えました。
- eスポーツとVRの本格的な定着 大型のeスポーツステージ「e-Sports X(クロス)」が設置され、国内でのeスポーツ観戦文化の基盤が作られました。また、前年に発売されたPS VRなどを含め、VR/ARコーナーが一般層に大きく定着した年でもあります。
🎮 2017年の注目タイトル
- 『モンスターハンター:ワールド』(カプコン) 据え置き機向けにグラフィックやシステムを一新したモンハン最新作。国内初となる一般試遊が大ブースで展開され、数時間待ちの大行列を作るなど、この年のTGSの文字通り「主役」となりました。
- 『キングダム ハーツIII』『ファイナルファンタジーXV』(スクウェア・エニックス) 人気シリーズの最新映像やアップデート情報、実機プレイステージが大きな話題を呼びました。
- 『ドラゴンボーン:レジェンド』などスマホゲームの台頭 パズドラやモンスト、Fate/Grand Order(FGO)といった国内スマホゲームがゲームショウの巨大な面積を占めるようになり、出展の主軸がモバイルへ大きくシフトしていく過渡期でもありました。
【最新】東京ゲームショウ 2025(TGS2025)の詳細
2025年9月に開催されたTGS2025は、47の国と地域から過去最多となる1,136の企業・団体が出展し、開催規模(小間数)としても史上最大を記録しました。
- 開催テーマ: 「ゲームで世界を先駆けろ。」
- 総来場者数: 26万3,101人
📌 2025年の主な特徴と発表内容
- 次世代ハードとAIテクノロジーの融合 AI技術をゲーム開発やゲームプレイに組み込む専用の「AIテクノロジーパビリオン」が拡大。さらに、次世代型ポータブルPCゲーム機(UMPC)や、噂される各社の新型ゲームハード(Switch後継機など)のローンチに向けた、各メーカーによる最新鋭のグラフィック表現が火花を散らしました。
- インディーゲームの存在感が過去最大に 「SELECTED INDIE 80」などを筆頭に、海外・国内のインディー開発者が一堂に会し、大手パブリッシャーに負けない熱量でブースが埋め尽くされました。
🎮 2025年の注目・発表タイトル
カプコンやスクウェア・エニックス、セガ/アトラスなどから超大作の最新情報が相次ぎました。
- カプコン陣営 シリーズの完全新作として世界中から期待を集める『バイオハザード レクイエム』をはじめ、和風アクションの系譜を継ぐ『鬼武者 Way of the Sword』、そして長らくファンが待ち望んだ『プラグマタ』の最新ゲームプレイ映像や続報が公開され、ブースは終日大盛況となりました。
- スクウェア・エニックス / セガ陣営 発売を控える大作RPGの試遊や、ファンイベントステージが連日開催。日本ゲーム大賞2025の「フューチャー部門」発表授賞式でも、これらのタイトルが多くの票を獲得しました。
- 本格長編群像実写ゲーム『AKIBA LOST』 イザナギゲームズ×日本テレビ×AX-ONによる完全新作の実写ゲーム。メインキャストがステージに集結し、実写映画とゲームが融合した新しいゲーム体験として大きな注目を集めました。
📢 ちなみに(来年の予告) 2025年の閉幕式では、次回の「東京ゲームショウ2026」の開催も発表されました。2026年はテーマを「史上最長、遊びづくしの5DAYS」とし、TGS史上初となる「5日間開催」へとさらにスケールアップすることが決定しています。
まとめ
さて今回は、ネットミーム『片思いハート』について解説していきました。
この画像が投稿され、ミーム化したことにより、今では誰かとツーショット写真を撮る際に「あ、あのポーズをやろう」と脳裏に浮かぶ人も多いのではないでしょうか。一時の流行にとどまらず、写真撮影の「お決まりの型」として定着していったのは、本当にすごいことだと思います。
「推しとオタク」という関係性をこの一枚で見事に表現しており、なおかつそこに誰も傷つけない、悪意のないユーモアが溢れている。この写真の本質は、まさしく奇跡の一枚と言っても過言ではありません。
このような絶妙な関係性は、実は非常に危ういバランスの上に成り立っています。今回は「幸福な裏切り」という形でファンに受け入れられましたが、オタクという生き物は、推しに巨大な信頼と幻想を託すものです。そしてアイドルもまた、その期待を背負い続けなければなりません。
一方で、もしその期待が残酷な形で裏切られるようなことがあれば、かつての愛は一転して激しい敵意(アンチ)へと変貌を遂げる。それもまた、オタクという存在の哀しき性なのでしょう。
次回、ご馳走を用意し期待を胸に画面の前に待機していたオタクに訪れた悲劇
ネットミームFile No.8『チキン冷めちゃった』
お楽しみに
参考文献
片思いハートとは (カタオモイハートとは) [単語記事] – ニコニコ大百科


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