戯言シアター#8 『トイ・ストーリー2』

映画感想
スポンサーリンク

もし自分が特別な存在であるということがわかったら、ある日急に特別な能力に目覚めたらあなたはそれでもこれまでの関係を続けていくことを望みますか?それとも今までの関係を切り捨てて新しい仲間とともに全く違う世界へ旅立つことを決めますか?

戯言シアターへようこそ 案内人のサミっつーと申します。

本日は、2026年7月3日に『トイ・ストーリー5』の日本劇場公開を記念して歴代4作品について4週にかけて語って行こうと思います。

今回は、その第2弾『トイ・ストーリー2』について語っていこうと思います。


スポンサーリンク

映画概要

基本情報

作品名トイ・ストーリー2
公開日2000年3月11日 ※日本公開日
キャストティム・アレン (バズ・ライトイヤー), トム・ハンクス (ウッディ)他
監督ジョン・ラセター
エンドクレジットWoody’s Roundup
ジャンルアクション&アドベンチャー
上映時間92分

あらすじ

世界中で愛される2大スターが再共演!ユーモアいっぱい、史上最大(!?)の救出大作戦開始!ウッディ誘拐事件が発生!バズとおもちゃ仲間たちは、ウッディを見つけ出すために、決死の覚悟で外の世界に飛び出した。一方、“超プレミアム人形”として、カウガール人形のジェシーや馬のブルズアイと日本のオモチャ博物館へ送られようとしていたウッディは、ジェシーからある事実を聞かされ、仲間たちの元に戻りたい気持ちが揺らぎ始める。そんな時、さまざまな危険をくぐりぬけ、バズたちがウッディ救出に現れて…。想像を超えた大冒険が始まる。

トイ・ストーリー2|ブルーレイ・DVD・デジタル配信|ディズニー公式

予告映像

出典:トイ・ストーリー2/予告編|ディズニープラス(YouTube「ディズニー公式」より)
スポンサーリンク

感想&考察※ネタバレ注意

感想

『トイ・ストーリー』シリーズ全体を貫く大きなテーマ、それは「子供の成長」と「おもちゃの宿命」です。その中でも本作は、おもちゃがたどる結末の一つとして「博物館への寄贈(コレクション化)」という選択肢を提示し、私たちに深い問いを投げかけてきます。

現実世界を見渡してみても、おもちゃにプレミア価値がついたり、ショップのショーケースに美しくディスプレイされていたりする光景は珍しくありません。「コレクション用」として未開封のまま大切に保管する人も大勢います。 しかし、これは本来おもちゃが作られた目的である「子供に遊ばれること」とは一線を画す、いわば特殊な取り扱い方と言えます。劇中、ウッディはこの「おもちゃとしての本来の使命」と「永遠の価値」のはざまに立たされ、激しく思い悩むことになるのです。

交錯するおもちゃたちの「願い」

劇中に登場するキャラクターたちは、それぞれ異なる背景から、異なる未来を望んでいます。

  • ウッディ: 「おもちゃは子供に遊んでもらってこそ」という強い信念を持つ。
  • ジェシー & ブルズアイ: ウッディと同じく遊んでもらいたいと願いつつも、過去のトラウマから「また捨てられるのではないか」という痛烈な恐怖を抱えている。
  • プロスペクター(炭鉱掘りのピート): 長年箱の中で売れ残っていた悲しい過去を持つ。誰にも遊ばれた経験がないがゆえに、子供を嫌悪し、未開封のまま半永久的に美しく保存されることに自分の存在価値を見出している。

一見すると、彼らの意見は真っ向から対立しているように見えます。しかし、その根底にある本質は皆同じではないでしょうか。それは、「誰かに愛されたい」「自分の存在を認めてもらいたい」という切実な願いです。

導き出されたひとつの答え

博物館で大勢の人に眺められること。それはプロスペクターが望んだように、おもちゃとしてひとつの「幸福な結末」の形なのかもしれません。

しかし、ウッディたちが最終的に選んだのは、いつか訪れる「子供の成長による別れ」というリスクを背負ってでも、いま目の前の子供と生きる道でした。傷つき、汚れ、いつかは壊れて捨てられるかもしれない。それでも、子供の笑顔のそばに寄り添うこと――本作が導き出した結論は、やはり「おもちゃは遊ばれてこそ、本当の命が宿る」ということだったのだと感じます。

小ネタ

ピクサー映画おなじみの遊び心が、今作にはこれでもかと詰め込まれています。一時停止して探したくなるポイントばかりです。

  • 前作『バグズ・ライフ』からのゲスト出演 『トイ・ストーリー2』の直前に公開された映画『バグズ・ライフ』のキャラクターたちが、あちこちに隠れています。
    • アンディの部屋のカレンダーのイラスト
    • おもちゃ屋の店主アルの部屋の壁画
    • ミセス・ポテトヘッドが読んでいる絵本
    • おもちゃ屋のシーンで、バズが草木をかき分ける時に一瞬だけ登場するイモムシのハイムリックとアリのフリック
  • 名作映画へのオマージュ 映画ファンならニヤリとするパロディが満載です。
    • 『スター・ウォーズ』: バズと宿敵ザーグの対決シーンやセリフは、あの有名な宇宙親子のオマージュです。
    • 『ジュラシック・パーク』: 恐竜のレックスがおもちゃ屋で車を追いかけるシーンは、本家のT-REXの追跡シーンそのものです。
  • 日本との深い関わり 作中で、ウッディを買い取ろうとする日本の有名コレクター「Mr. KONISHI(コニシ)」という名前が登場します。これは、ピクサーで当時から活躍している日本人アニメーター・小西園子さんがモデルになっています。 また、前作では出番の少なかった「リトル・グリーン・メン(エイリアン)」ですが、日本でのグッズ人気が凄まじかったことから、今作で大幅に出番が増えたという経緯があります。

考察

ブルズアイの過去について

作中でジェシーはかつてエミリーという女の子のおもちゃでその子が大きくなるにつれて遊ばれなくなり最終的に捨てられた、プロスペクターは他のおもちゃが売れていくのを横目に安売りスーパーで過ごしていたという過去が開示されましたがブルズアイに関しては、どんな過去がありアルのもとに来たのかは明言されていません。

ウッディが来る前は、ブルズアイも他二人と同様に長い間倉庫にいたことは明言されているのでそれ以前のことについて考察していこうと思います。

といっても作中にてほとんど明言はなくまたブルズアイ自身が言葉を発しないキャラクター性であるところから妄想多めの考察になりますのでご了承ください。

まずはじめに考えることとしてアル以前に所有者がいたのかについてですがこれに関してはアルが最初の所有者であろうプロスペクターが箱のにしまわれて保管されていたことや作中最後にウッディと一緒にアンディの部屋にやて来た時にジェシーが

we’re part of a family again!(私たちまた家族ができたんだね)

と発言しているところからかつて誰かのおもちゃとして遊ばれていたということが推測できます。

スポンサーリンク

作品をより楽しむために

制作秘話

実はこの映画、映画の歴史から消えかけていたかもしれない、とんでもない裏話があります。

  • データ消失事件からの奇跡の復活 制作が佳境に入った頃、スタッフの誤操作によって映画のデータの9割がサーバーから削除されるという大惨事が発生しました。バックアップも機能しておらず、スタジオは絶望に包まれます。 しかし、たまたま育休中で在宅ワークをしていた女性スタッフが、自宅のPCに個人的にバックアップを持っていたため、映画は奇跡的に救われました。もし彼女のPCがなければ、公開が数年遅れていたか、お蔵入りになっていたと言われています。
  • もともとは劇場用ではなかった? 当初、ディズニーは『2』を劇場用ではなく、ビデオ販売専用(低予算の続編)として企画していました。しかし、仕上がってきたクオリティがあまりにも高かったため、「これは劇場で公開すべきだ!」と急遽方針を変更。スタッフが死に物狂いでプロットを練り直し、現在の名作が誕生しました。

おもちゃの消費期限

今作は、のちの『トイ・ストーリー3』や『4』に直結する「子供の成長とおもちゃの寿命」という切ないテーマが初めて本格的に描かれます。

物理的な消費期限(劣化と破損)

最も分かりやすいのが、モノとしての寿命です。

  • 「遊ばれること」による摩耗 子供に愛されれば愛されるほど、おもちゃは傷つき、汚れていきます。『2』の冒頭でウッディは腕のステッチが千切れてしまいます。
  • 「遊ばれないこと」による風化 逆に、遊ばれずに放置されてもプラスチックはベタつき、関節は固まり、ホコリをかぶって劣化します。どちらを選んでも、おもちゃは形あるモノとしていつか限界を迎えます。

精神的な消費期限(子供の成長と「飽き」)

おもちゃにとって最も残酷で、避けて通れないのが「持ち主の精神的成長」です。

  • 「飽き」という最初の期限 子供の興味は移り変わりが早いです。昨日まで宝物だったものが、新しいおもちゃ(『1』でのバズの登場など)によって、ある日突然クローゼットの奥に追いやられます。
  • 「大人になる」という絶対的な期限 どんなに深く愛されていても、子供はいつか大人になり、おもちゃで遊ばなくなります。ジェシーの持ち主だったエミリーが、メイクや音楽に興味を持ち、ベッドの下に落ちたジェシーを忘れていく描写は、まさにこの「精神的消費期限」を迎えた瞬間を完璧に捉えています。

社会的な消費期限(価値の変質)

『2』で新しく提示されるのが、おもちゃの「役割の終わり」です。

  • 「遊具」から「骨董品(コレクション)」へ おもちゃ屋の店主アルのように、大人たちはおもちゃを「遊ぶもの」ではなく「希少価値のあるコレクターズアイテム」として扱います。ウッディは自分が「日本の博物館に飾られるほどの価値がある幻のレアおもちゃ」だと知らされます。 ガラスケースに閉じ込められれば、二度と壊されることも、捨てられることもありません。しかしそれは、おもちゃとしての本来の命(子供に遊ばれること)の消費期限を、自ら強制終了させて「剥製」になることを意味しています。
スポンサーリンク

参考文献

トイ・ストーリー2 – Wikipedia

ピクサー・ストーリー~スタジオの軌跡 | Disney+(ディズニープラス)

 

『トイ・ストーリー2』ジェシーの悲しい過去と名曲『ホエン・シー・ラヴド・ミー』考察 | テレビFAN

「トイ・ストーリー2」主題歌、エンドロール(エンディング)曲は? | エンドローラーズ

『トイ・ストーリー2』あらすじ&キャラクター|おもちゃたちの大冒険|ディズニー公式

コメント