戯言シアターへようこそ 案内人のサミっつーと申します。
本日は、『デッドプール&ウルヴァリン』について語っていこうと思います。
映画館で観て、あるいは配信で観て、その圧倒的な情報量とハイテンションなノリに「頭が追いつかない!でもめちゃくちゃ面白い…!」と圧倒された方も多いのではないでしょうか?
2024年の公開時、世界中で大旋風を巻き起こした『デッドプール&ウルヴァリン』。MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)への本格参戦でありながら、かつての20世紀フォックス版マーベル映画への愛とリスペクトがこれでもかと詰め込まれた、まさにアメコミファンへのラブレターのようなお祭り映画です。
初見だと「TVAって何?」「あのキャラクターは誰だっけ?」と少し置いていかれてしまう部分もありますが、それを遥かに凌駕するデッドプールの破天荒なユーモアと、熱すぎるバディのドラマが本作の最大の魅力。
今回は、そんな『デッドプール&ウルヴァリン』の基本データやあらすじはもちろん、知っていると映画が何倍も面白くなる「前提知識」、そしてマニア必見の小ネタや感想・考察まで、たっぷりとお届けします! これから観る方も、もう一度見返したい方も、ぜひ参考にしてみてくださいね。
映画概要
基本情報
| 作品名 | 『デッドプール&ウルヴァリン』 |
| 公開日 | 2024年7月24日(日本公開) |
| キャスト | ライアン・レイノルズ(デッドプール/ウェイド・ウィルソン) ヒュー・ジャックマン(ウルヴァリン/ローガン) エマ・コリン(カサンドラ・ノヴァ) マシュー・マクファディン(パラドックス) モリーナ・バッカリン(ヴァネッサ) ほか |
| 監督 | ショーン・レヴィ |
| エンドクレジット | NSYNC「バイ・バイ・バイ(Bye Bye Bye)」 |
| ジャンル | アクション、コメディ、SF、スーパーヒーロー |
| 上映時間 | 128分 |
あらすじ
平穏な生活を手に入れようとヒーローを引退し、普通の人間として暮らしていたデッドプール(ウェイド・ウィルソン)の前に、時空を管理する組織「TVA(時間変異管理局)」の捜査官が現れる。彼の暮らす世界(ユニバース)が消滅の危機に瀕していると知ったウェイドは、世界を救うため、そして愛する仲間たちを守るため、かつて命を落としたはずの“あの”ウルヴァリン(ローガン)の別世界バージョンを無理やり連れ出し、マルチバースを跨ぐ無茶苦茶な大冒険に挑むことに——。
感想&考察
感想
映画『デッドプール&ウルヴァリン』を心から楽しむためには、やはりある程度の前提知識があったほうがより深く味わえる作品だといえます。というのも、物語の初っ端から時空を管理する組織「TVA」が平然と登場し、マルチバースの概念や過去の映画史に関するメタ発言がこれでもかと詰め込まれているからです。アメコミ映画の複雑な歴史や裏事情を網羅していないと、正直なところ「今、何が起きているんだ?」とやや置いていかれてしまう感は否めません。
しかし、そうした難解さや情報量の多さを完全に吹き飛ばしてしまうのが、デッドプール特有の「おバカで軽いノリ」と圧倒的な勢いです。難しい理屈はさておき、キャラクターたちが繰り出すキレッキロのブラックジョークや、予想の斜め上を行く展開の連続に、気づけば自然と笑わされてしまいます。予備知識がある人はニヤリとでき、たとえ細部を完璧に理解していなくても勢いだけで最後まで突っ走れる、まさにデッドプールらしい破天荒で最高に楽しいエンタメ作品に仕上がっていました。
小ネタ
オープニングの「ブレイドの墓場」に隠された怒りの歴史
劇中、荒廃した「虚無」の世界に、ウェズリー・スナイプス演じる伝説の吸血鬼ハンター『ブレイド』が登場します。実は、2000年代初頭にフォックスではなくニュー・ライン・シネマが製作した『ブレイド』こそが、アメコミ映画のヒットの火付け役でした。さらに、主演のウェズリー・スナイプスとライアン・レイノルズは過去に『ブレイド3』の撮影現場で激しい不仲説が囁かれた因縁の仲。作中でブレイドが「俺はブレイドが嫌いだ」と言い放ち、それに対して「いや、俺は好きだぜ」と返すやり取りは、長年の映画ファンの間や本人たちのキャリアを知っているとニヤリとせずにはいられない、強烈なインサイドジョークです。
「ガビ・プール」誕生の裏側とタイトルのこだわり
当初、企画段階での仮タイトルはシンプルに『デッドプール3』でしたが、ライアン・レイノルズや監督のショーン・レヴィは「これは単なる3作目ではなく、2人のバディ映画だ」としてタイトルの変更にこだわりました。また、劇中でデッドプールが着用するおなじみの黄色いスーツは、原作コミックへのリスペクトであると同時に、ファンから長年イジられてきた「なぜ実写化で黒革の服ばかり着るのか」というフォックス版X-MENの歴史に対するアンチテーゼでもあります。
カメオ出演者たちに捧げられたエンドクレジットの映像
本編のラストやエンドクレジットでは、本編に登場したキャラクターたちの勇姿だけでなく、かつて20世紀フォックスが製作したマーベル映画(日の目を見ることのなかったボウズに終わった企画のテスト映像や、撮影の裏側のNG集など)がたっぷりと流れます。これは単なるおふざけのNG集ではなく、「かつてアメコミ映画の礎を築きながらも、途中で消えていった無数の作品やスタッフたちへの盛大なラブレター(供養)」になっており、映画館で多くのファンが胸を熱くしたポイントです。
考察:MCUにおける位置づけとは?「フォックス版への愛と葬送曲」としての立ち位置
本作のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)全体における立ち位置を俯瞰すると、極めて特殊かつ重要な役割を担っていることが見えてきます。現在のMCUはマルチバースを展開する中で「作品数が多すぎて追いにくい」「かつての勢いが陰りを見せている」という批判や課題を抱えていました。そんな停滞ムード漂う中、デッドプール自身が劇中で「俺ちゃんはマーベルの救世主だ!」と自虐的に叫ぶ通り、本作はMCUに「他社製マーベル映画の歴史」を強引に接続するという荒業をやってのけました。
特に注目すべきは、ディズニーに買収される前の20世紀フォックスが製作してきた『X-MEN』シリーズなどの歴代マーベル作品に対する、盛大なリスペクトとある種の「お別れ(葬送曲)」としての側面です。MCUの厳格な正史(セイクリッド・タイムライン)の枠組みに囚われず、かつて一世を風靡したヒーローたちを総登場させて救い出すことで、フォックス製アメコミ映画の歴史に美しいピリオドを打ちました。つまり本作は、単なる一本の番外編コメディに留まらず、実写アメコミ映画の過去と現在を繋ぎ止め、マーベルの歴史そのものを祝福・自虐する「マルチバース時代の象徴的なマイルストーン」として位置づけられています。
作品をより楽しむために
本作は一見すると「ただのおふざけアクション映画」ですが、実は過去25年以上にわたる「20世紀フォックス版マーベル映画の歴史」という巨大な文脈のうえに成り立っています。そのため、以下の背景知識を持っておくと、映画の深みが何倍にも増します。
フォックス版『X-MEN』シリーズの「呪われた歴史」と『LOGAN/ローガン』の重み
2000年に公開された映画『X-MEN』は、現代のスーパーヒーロー映画ブームの礎を築いた金字塔ですが、その後の続編やスピンオフはヒット作もあれば、設定の矛盾や打ち切りに泣いた作品も少なくありませんでした。特に対比となるのが、ヒュー・ジャックマンが17年間演じ抜いた『LOGAN/ローガン』(2017)。同作でローガンは壮絶な最期を迎え、映画史に残る美しく完璧な完結を迎えていました。今作のウルヴァリンが「もう一人の(世界を救えなかった)哀れなローガン」として描かれているのは、この名作の結末を神聖なものとして守りつつ、デッドプールが彼を引っ張り出すというメタ的な免罪符としての意味を持っています。
権利の買収劇と「ディズニー傘下」という最大のメタネタ
2019年、20世紀フォックスがウォルト・ディズニー・カンパニーに買収されたことで、『X-MEN』や『デッドプール』の権利がマーベル・スタジオ(MCU)の手に戻りました。作中でTVAが「お前の世界は終わる、なぜなら主役が死ぬからだ」といった趣旨の発言をするのは、まさに「フォックスというスタジオの消滅」と「MCUへの移籍」という現実のビジネス上の事実をそのままキャラクターたちの運命に重ね合わせた、最高級のブラックジョークとなっています。
TVA(時間変異管理局)と『ロキ』のつながり
ドラマ『ロキ』に登場したTVAがそのままの組織・設定で映画に本格参戦しています。『ロキ』を視聴していると、彼らが管理する「タイムラインの剪定(せんてい)」や「虚無(ヴォイド)」という世界の仕組みがすんなり頭に入り、世界観の接続をより深く楽しむことができます。
主な配信サイト
見放題配信: Disney+(ディズニープラス) で見放題独占配信されています。
レンタル配信: Amazonプライムビデオ、DMM TV、Hulu、TELASA、FODプレミアムなど各種プラットフォームで都度課金(レンタル)視聴が可能です。


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